YAMANO's Impression
KAZI RACING DESIGNとプロジェクト・ミューとのコラボレーションで、ポルシェでスポーツ走行やスプリントレースに参加するサーキット専用として、ブレーキパッドとブレーキローターそして、ブレーキラインを2009年春から、僕の他にアマチュアレーサーで富士54秒台とかなりの腕前持つ上級者と2分切りを目指す中級者の3名で997GT3RSでの実走テストを繰り返して来ました。
皆さんご存知のようにポルシェは、RRレイアウトの特性上、コーナリングスピードを高めるよりというよりは、コーナーの立ち上がりやストレートでの優れたエンジンパワーを活かすと共にブレーキングでタイムを稼ぐクルマです。ブレーキング時の姿勢や重量配分から積極的にリアブレーキを使うことができ、より強く、短いブレーキングが可能です。また、コーナーへの最適なアプローチ姿勢を作るためのコントロール性やリリース性の高さも同時に要求されます。
プロドライバー、アマチュアドライバー両者が求める強い制動力と高いコントロール性能。
この相反する作用を如何にバランス良くとるかが課題でした。
レース用のブレーキ開発並みにテスト&トライで時間を掛け試行錯誤しましたが、その分きっと皆さんに満足してもらえると思います。
2006年 スーパー耐久ST4クラス チャンピオン
2007年 スーパー耐久ST1クラス(ポルシェ996)シリーズ3位
2008〜2009年 スーパーGT300クラス参戦
2009年 全日本ジムカーナ選手権PN-3クラスチャンピオン
2009年 マカオGP CTM クラス6位
SHIGE RS's Impression
友人のK氏に頼まれ僕の997RS(フロント350㎜)で試作のブレーキローターとパッド1型と2型をテストしました。
ブレーキタッチは、以前使っていたメーカーものは、ザラザラ砂消しゴムで擦って止まる感じで、このパッドは練り消しゴムのようにムギューと止まる感じ?!ですか。ジャダーの発生もなく、個人的にはこっちの方がしっくりいきます。
参考までに、僕が7月末に真夏日の富士で、
試作1型のパッドとローターで54秒台。
8月の末に11月号 GENROQのスーパーカーバトルの企画で走り01秒096秒。
涼しくなれば、あと1秒近くは縮まると思います。
GTK's Impression
僕の997RSでは、(フロント380Φの試作ローター(1型と2型)とパッド(1型〜7型)それから試作ブレーキラインを山野氏と交互にテストしました。
因に、1型と2型を装着したら富士で2分切れなかった僕がコレに交換したら58秒半が出ました。(半ウェットの初鈴鹿もまぁ、そこそこに。。。)
僕の場合は、もちろんコントロール性も重要だと思いますが、どうしてもシフトダウンに手子摺ってしまい止まれきれない怖さがあるので、やや強めの初期制動力をリクエストしました。
しかし、テストを繰り返して行くにつれ、コントロール性(リリース)の重要性が解りました。
まぁ、僕の場合には、ABSの制御が入った際と踏み足しといったブレーキミスのフォローしてくれるコントロール性ですが(笑
そんな僕でも試作3型以降の踏力コントロール型パッドで57秒フラットが出せました。
ジャダーなどの不具合はありませんし、ブレーキタッチも他に比べソフトめで躊躇せずしっかり踏めます。
これまでビビッていたブレーキングが、今では逆に面白くなりました。
MAKIZO's Impression
以前から友人であるGT-KさんよりポルシェGT3用のブレーキシステム構想のお話がありました。
昨年末、何度も試作を繰り返し「ようやく市販が出来るようになったよ」と伝えられ、そんな拘りの一品なら試してみよう前後ローター&パッドを装着しました。
2010年1月11日、FSWの走行枠でType01Pをテストです。
休日という事でコースインしている台数は50台前後、先ずは無理をせずじっくりと適正温度に上げるべくウォームアップ。
外気温も3℃と低いのですが3周もすると制動トルクも上がってきたので全開走行に移ります。
FSWの1コーナーを200m表示を過ぎ180m位で一気にブレーキペダルを踏んだところ何とクリップのかなり手前で十分な速度まで落ちてしまいました。
簡単に表現すると「ブレーキが余ってしまった」という事ですね。
逆に言えば、以前使用していたブレーキシステムと比較すると確実に10mはブレーキングポイントが奥に出来るという事で、慣れれば更にと思います。
絶対的な制動力は確実に上ですし、踏力に対しリニアに反応するところも素晴らしいと思います。
次は1月17日、FSW某7時間耐久レースでType02Cを試しました。
軽自動車からレーシングポルシェが85台混走する大変エキサイティングな草レースです。
また走行するドライバーのスキルもまちまちなので、コーナーアプローチも咄嗟の動きに対応するべく踏力の緩急が必須ですし、ダンロップコーナー以降のテクニカル部の微妙なブレーキコントロールにもリニアに反応してくれました。
更に1回目のスティントでは連続90分を走りましたがブレーキタッチ他、パフォーマンスの低下は感じられませんでした。
絶対的な制動力は01Pの方が上ですが、02Cしか知らなければこれはこれで十分だと感じます。
02Cに不満が出てきたら、01Pとステプアップすのも楽しいかなと思いますね。
次は機会を作って平日のタイムアタックをしたいです。
レース戦績
2009年からPCJ-CUP第2戦より参加
・第2戦 FSW N0クラス 予選1位 決勝1位(ウェット)
・第3戦 SUGO N0クラス 予選2位 決勝2位
・第4戦 岡山国際 N0クラス 予選1位 決勝1位
N.K's Impression
私のGT3は前期モデル(フロント330㎜のローター)なのでKさんの勧めもあり少し制動力が強いType 01Pを装着しました。
ローターは前後とも純正で、今回フロントのみ新品です。
まずは、スポーツ走行でコースインしてゆっくり熱入れしアタリを付けます。
4〜5周ほどしてピットインし、ローターのディスク面を見ましたが、きれいに皮膜がのって薄っすら黒くなっています。
因に以前使っていた別のメーカーのサーキット用パッドは4周ぐらいの当たり付け程度ではきれいに着かなかった記憶があります。
本格的なアタックはPCJ‐CUP第二戦FSWでの予選・決勝になりました。まず、走り出して感じたのは初期タッチは緩やかでリリース性がいい。
そして、なによりブレーキング後半クリップ手前でのコントロール性の良さ。
以前まで使っていたパッドは効きは良かったが、制動が一気に立ち上がり、クリップ手前でのコントロールが非常に難しく、周回によって、進入時の速度やラインがまちまちになりやすかったのですが、このKAZI×projecuμ Type 01Pは踏力でコントロールしやすいので、僕のような進入時、特にフルブレーキング時に安定しないアマチュアには乗りやすく、ブレーキングが“決まる”パッドです。
決勝時もゴールまでタッチや剛性感に変化なく、終始安定したフィーリングでした。
レース戦績
2010年5月9日 PCJ-CUP 第2戦 富士 N1クラス 予選1位 決勝1位